ロタリックスの市販直後調査

ロタリックス製品情報

市販直後調査期間

2011年11月21日~2012年5月20日

推定接種者数

約10万人(2012年4月30日までの接種)

副反応報告症例数

797例1,147件(うち重篤61例117件)

  • 2012年5月20日時点で調査中の症例を含む。

副反応発現状況

市販直後6ヵ月間に報告された主な副反応

副反応等の種類 副反応等発現件数
合計 うち重篤件数
嘔吐(吐き出し、吐き戻し含む) 528 3
吐き戻し 194 -
下痢 42 3
血便排泄 29 29
発熱 22 8
泣き 18 -
ロタウイルス胃腸炎 17 17
気分変化 15 -
息詰まり感 15 -
咳嗽 14 -
腸重積症 12 12
  • 「接種上の注意」から予測できない副反応
    2012年5月20日時点で調査中の症例を含む。

本剤接種者における腸重積症の報告数

2012年4月30日までに、本剤は約10万人の乳児に接種されたと推定され、この推定接種者数を用いると、現時点における本剤接種後の腸重積症の報告率は10万人あたり12例となります。

腸重積症について―症例の概要―

市販直後6ヵ月間に報告された腸重積症の12例

No. 性別 年齢 接種から腸重積症
発現までの日数

腸重積症の
転帰
1回目接種時 2回目接種時 腸重積発症時
1 17週齢 - 18週齢 3日 軽快
2 13週齢 - 13週齢 3日 回復
3 11週齢 15週齢 16週齢 2回目接種より10日 回復
4 10週齢 - 10週齢 0日 回復
5 28週齢 - 31週齢 17日 回復
6 18週齢 - 19週齢 4日 回復
7 17週齢 - 18週齢 6日 軽快
8 不明 - 23週齢 不明 回復
9 18週齢 22週齢 23週齢 2回目接種より5日 軽快
10 20週齢 - 21週齢 6日 回復
11 14週齢 - 16週齢 13日 回復
12 14週齢 18週齢 19週齢 2回目接種より4日 軽快
  1. ※1接種回数は調査中のため、現在入手している接種美を接種1回目とした場合の月齢
    2012年5月20日時点で調査中の症例を含む。

症例1・観血的整復術施行例

性別/年齢 男児/腸重積症発現時18週齢
基礎疾患 -
副反応名 腸重積症、機嫌不良、嘔吐、血便、腹腔内腫瘤所見
経過および
処置等
接種当日 A小児科にて、ロタリックス(1回目)、沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン、乾燥ヘモフィルスb型ワクチン、沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン接種。
接種4日後 機嫌不良。
接種5日後 嘔吐出現。B医療センターに入院。
接種6日後 血便出現。C病院に転院。単純腹部X線、注腸、腹部エコーにて腸重積症の診断。縮小手術(腸切除なし)実施。
接種16日後 腸重積症軽快し、退院。
併用薬 沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン、乾燥ヘモフィルスb型ワクチン、沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン

症例2・非観血的整復術施行例

性別/年齢 女児/腸重積症発現時13週齢
基礎疾患 -
副反応名 腸重積症、機嫌不良、間欠的啼泣、嘔吐、腸管の壁肥厚、
腹腔内腫瘤所見(target sign)
経過および
処置等
接種当日 A産婦人科にて、ロタリックス(1回目)、乾燥BCGワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン接種。
接種3日後 嘔吐、間欠的啼泣にてB小児科医院を受診。エコー後、腸重積症疑いにてC病院小児外科紹介受診、入院。腹部エコーで、右上腹部に腸管の壁肥厚、target sign、注腸造影で上行結腸に蟹爪のfilling defectを認め、腸重積症の診断。
高圧浣腸により整復を行い、絶飲食、補液管理。
接種4日後 経口接種開始。
接種5日後 整復後の腹部CT検査にて、明らかな先進部病変を認めず、経過良好にて退院。
併用薬 乾燥BCGワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン

症例3・非観血的整復術施行例

性別/年齢 男児/腸重積症発現時19週齢
基礎疾患 アトピー性皮膚炎
副反応名 腸重積症、嘔吐、顔色不良、活気低下、粘血便
経過および
処置等
接種当日 A小児科にて、ロタリックス(1回目)、沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン、乾燥ヘモフィルスb型ワクチン、沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン接種。
接種4日後 嘔吐4回、顔色不良、活気低下がみられ、A小児科を受診。B病院に紹介となり、受診、入院。粘血便(+)、腹部エコーにて、上腹部正中にtarget signを認め、腸重積症の診断。透視下に空気整復実施。
接種6日後 退院。
併用薬 沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン、乾燥ヘモフィルスb型ワクチン、沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン

腸重積症について―初回接種時期の推奨―

2012年4月に本剤の「接種上の注意」を以下のとおり改訂し、初回接種を「生後6週~14週+6日」に行うことを推奨することとした。

用法・用量に関連する接種上の注意
(1)接種対象者・接種時期

生後6週から初回接種を開始し、少なくとも4週間の間隔をおいて2回目の接種を完了する。遅くとも生後24週 までには接種を完了させること。また、早期産児においても同様に接種することができる。

なお、初回接種は生後14週6日までに行うことが推奨されている。*1

現時点で得られている情報からは、本剤初回接種時期と腸重積症発症の因果関係を示す根拠は認められていないが、米国Advisory Committee on Immunization Practices(ACIP)をはじめ、海外では推奨される接種時期が定められていること、週齢が高くなるにつれ自然発症による腸重積症が増えることを考慮した。

まとめ

  • 乳幼児における腸重積症の自然発生率に関しては、調査ごとに観察対象集団の年齢(本剤の接種対象年齢は生後6週~24週)、観察期間、調査実施時期さらに統計手法などが同一ではないため、今回本剤接種後に報告された腸重積症の報告率と単純に比較できない。
  • 市販直後調査期間中に報告された腸重積症の症例は、これまで諸外国で得られている本剤接種後の腸重積症の発現と経口が同様であり、新たな安全性上の懸念を示すものではないと考える。
  • 「接種上の注意」の副反応の項にも記載しているとおり、初回接種から31日間(特に接種後7日以内)は、腸重積症の発症頻度の増加が示唆されているため、接種後の腸重積を示唆する症状について、保護者への情報提供および注意喚起が重要である。
【出典元】
  1. *1CDC, MMWR Recomm Rep. 2009; 58(RR-2): 1-25