ロタウイルス胃腸炎の治療

現在ロタウイルスに対する抗ウイルス療法はありません。ロタウイルス胃腸炎の治療は体液管理を中心とした支持療法および対症療法です。
経口補液(ORS:Oral Rehydration Solution)にはNa,K,Cl,クエン酸塩,ブドウ糖などが含まれており、脱水およびその合併症の管理に有用です。しかし、経口での水分補給が難しい場合は経静脈輸液を用います。

脱水の程度に基づく治療法のイメージ

脱水の程度に基づく治療法

脱水の程度 最小の脱水または脱水なし
(体重の3%未満の減少)
軽症~中等症の脱水
(体重の3%~9%の減少)
重症の脱水
(体重の9%を超える減少)
補水療法 行わない 3~4時間の経口補液剤
50~100mL/kgを投与
輸液療法を施行する。
喪失水分の補充 下痢または嘔吐のたびに、
体重10kg未満:経口補液剤を60~120mL投与
体重10kg以上:経口補液剤を120~240mL投与
左に同じ。飲むことができない場合、経鼻胃チューブで投与するか、輸液療法を施行する。
栄養 母乳を継続して与えるか、初回の水分補給後は適切な維持カロリーを含む年齢に合った通常の食事を再開
米国疾病管理予防センター、2003、一部改変

一般的な予防策としては、手指の洗浄や消毒、水質の向上など衛生状態を整えることですが、ロタウイルスの感染を完全に防ぐことはきわめて困難です。そのため、WHOなどでもワクチン接種により重症化や死亡を抑制することが推奨されています。

ロタウイルス胃腸炎の疫学と病因