国内におけるロタウイルスワクチン導入のインパクト

新潟県新発田市における研究

2011年のロタウイルスワクチン導入後、重症ロタウイルス胃腸炎は有意に減少し、2011年に対する減少率はそれぞれ2012年が71.2%、2013年が47.7%、2014年が81.1%でした。
重症急性胃腸炎においても有意な減少が認められました。
急性胃腸炎は、2012年及び2014年において有意な減少が認められ、それぞれ減少率は21.3%、27.4%でした。

Oishi T, et al.Open Journal of Pediatrics. 2014; 4(4): 291-299. より作図
目的 2011年11月より導入されたロタウイルスワクチンによる、重症ロタウイルス胃腸炎への影響を検証する。
*外来にて点滴治療を必要とした症例
期間 2011~2014年におけるロタウイルス胃腸炎流行期(2~5月)
方法 調査期間中に、新潟県新発田市内の小児科医療機関3施設を急性胃腸炎で受診した3歳未満の患者を対象に、前向き調査を行い、急性胃腸炎、重症胃腸炎、重症ロタウイルス胃腸炎の患者数について、ワクチン導入前後で比較した。

旭川厚生病院小児科における疫学的調査

2003~2014年までの入院患者の総数は市中感染525名、院内感染110名、あわせて635名でした。
市中感染例においてワクチン開始前後で比較すると、開始前は患者数445名、平均年間患者数49.4名であったのに対し、開始後は患者数80名、平均年間患者数26.7名と、46%の減少が認められました(p<0.05)。
人口減少の影響を少なくするために、小児人口10万人あたりで入院数を算定すると、2003年は96.1名、2014年は58.0名と約40%の減少が認められました。
また、入院患者にはロタウイルスワクチン接種児は含まれていませんでした。

坂田宏. 小児感染免疫. 2015; 27(1): 3-8.
対象 旭川厚生病院小児科に入院したロタウイルス胃腸炎の市中感染患者525例
何らかの疾患で入院中にロタウイルス胃腸炎を発症した院内感染例は除外した。
調査期間 2003年1月~2014年12月
方法 入院の適応は、脱水やけいれんがあり、持続的輸液や詳細な経過観察を必要とする児とした。
対象について入院カルテを中心に後方視的に検討し、ワクチン開始前(2003~2011年)とワクチン開始後(2012~2014年)とで比較した。
ロタウイルス胃腸炎の疫学と病因