自然感染の合併症

自然感染における流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の主な臨床症状は、発熱と耳下腺炎の腫脹・疼痛などです。なかでも耳下腺炎の腫脹は60~70%に出現します。また合併症として、無菌性髄膜炎が1~10%と報告されていますが、一般に予後は良好です。これに比べ難聴(0.01~0.5%)、脳炎(0.02~0.3%)などの合併症は重篤な後遺症を残し、程度が高度な場合は、回復が困難となり予後不良です。また、思春期以降の男性では睾丸炎の合併頻度が20~40%、その他に卵巣炎5%、膵炎4%が報告されています*1
また年齢が高くなるにつれ合併症のリスクは上がるといわれています。難聴は耳下腺腫脹の消失後1ヵ月以内に発症し、ムンプスウイルスの直接侵襲によるものと考えられており、約1,000人に1人の頻度で発症するといわれています。その多くは片側性ですが、ときに両側性となる場合もあります。難治性で障害が残ることが多く、不顕性感染での発症もあるため、おたふくかぜの合併症として最も警戒すべきものといえます。現在の日本の流行状況では、年間700~2,300人が発症していると推計されています*2

【出典元】
  1. *1国立感染症研究所 おたふくかぜワクチンに関するファクトシート 平成22年7月7日版
  2. *2国立感染症研究所(IASR Vol. 34 ,227-228: 2013年8月号)
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