ヒブ感染症の治療と予防

髄膜炎の治療としては、セフォトリアキソン、メロペネム等の抗菌薬による化学療法が行われます1。そのため、β-lactamase-producing (BLP)、β-lactamase-nonproducing ampicillin-resistant (BLNAR)、β- lactamase-producing amoxicillin / clavulanate-resistant (BLPACR)の薬剤耐性菌を考慮して薬剤を選択する必要がありました2。2000年以降、2009年までの調査では、化膿性髄膜炎由来H.influenzaeの耐性化傾向はgBLNAR(gは遺伝子学的検討による表記)が急速に増加しヒブワクチン導入後もその傾向は続き、2009年には60%を超え、gBLPACRなどの耐性型菌を合わせると90%を超えていました(図)3。しかし現在、わが国における侵襲性Hib感染症の罹患率はゼロと報告されています(→サーベイランス報告)。

現在、世界では4種類のヒブ結合体ワクチンが市販されており、いずれもHib莢膜多糖体の構成成分ポリリボシルリビトールリン酸(polyribosylribitol phosphate: PRP)にキャリア蛋白を結合させたものです。わが国では、破傷風トキソイドをキャリア蛋白とするヒブワクチン(アクトヒブ®)が2007年1月に承認され、その後2008年12月より接種可能(任意)となりました。2010年11月には「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」による公費助成の後押しを受けて接種率が大幅に上昇し、2013年4月より定期接種化が実現しました。

  • 【参考文献/出典】
  • 1.厚生労働省, ヘモフィルスインフルエンザ菌b型ワクチンに関するファクトシート
    http://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000bx23-att/2r9852000000bxfi.pdf
  • 2.石和田稔彦, 小児内科 40 増刊号: 1008-1012, 2008.
  • 3.IASR, 31(4) : 98-99, 2010. http://idsc.nih.go.jp/iasr/31/362/dj3624.html
    図:http://idsc.nih.go.jp/iasr/31/362/graph/df36241.gif
侵襲性ヒブ感染症について