感染経路

HBVは感染者の血液や体液が、非感染者の血中に侵入することにより、感染が成立します。感染経路は、母子感染(垂直感染)とそれ以外の感染(水平感染)に大別されます。

小児における感染経路

小児ではHBVキャリアの母親から出生した児が感染する母子感染が最も重要ですが、抗HBs人免疫グロブリン(HBIG)投与およびB型肝炎ワクチン接種を実施することで、ほとんどの例で予防が可能となります。
また、乳幼児は免疫機能が未熟であるため、HBVキャリアの家族(父親や兄弟など)や周囲の人と接する機会が増えることにより水平感染が成立するおそれがあります。
HBVは尿、唾液、涙液、汗といった体液中にも検出されるため*1、保育園や幼稚園などの長時間にわたる集団生活の場では、HBVキャリア園児から水平感染が起こる可能性があります。小児におけるHBV感染を予防するには、すべての児に対するB型肝炎ワクチン接種が重要です。

HBVキャリア小児の感染経路

HBVキャリア小児の感染経路
目的:
母子感染防止事業開始後のHBVキャリア小児における感染経路の検討
対象:
1986年以降に出生したHBs抗原陽性の小児(n=57)
方法:
全ゲノムシーケンスにより感染経路を解析した。

Komatsu H, et al. Hepatol Res. 2009; 39: 569-576.より作図

HBVキャリア小児の検体別HBV DNA量

HBVキャリア小児の検体別HBV DNA量
目的:
尿、唾液、涙、汗などの体液がHBVの感染源となる可能性の検討
対象:
HBVキャリアの小児(n=39)および成人(n=8)
方法:
リアルタイムPCR法を用いて、尿、唾液、涙、汗に含まれるHBV DNA量を測定した。

Komatsu H, et al. J Infect Dis. 2012; 206: 478-485.

成人における感染経路

成人のHBVの感染経路として最も多いのが性交渉です。近年、欧米の土着株である遺伝子型Aの感染が男性間性交渉、不特定パートナーとの性交渉により急速に広がりつつあり、大きな問題となっています。
医療現場では、針刺し事故をはじめ、血液透析や血糖測定器具、カテーテルのような複数の患者で共有するデバイスを介して感染が成立することがあります。

【出典元】
  1. *1Komatsu H, et al. J Infect Dis. 2012; 206: 478-485.
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