疫学

国内の急性B型肝炎患者数の推移

現在、世界中で20億人のHBV感染者がいると推定されており、そのうち持続感染者(キャリア)は約4億人に上ります*1。日本国内でも患者数は約7万人、キャリア数は約110~140万人と推定されています*2
国内では1987年より急性B型肝炎報告数の調査が始まりました。1999年の全数把握サーベイランス開始から数年間は年間報告数の減少がみられましたが、近年は毎年約200人程度で停滞傾向にあり、この原因のひとつとして父子感染や兄弟間感染などによる水平感染の増加が考えられます。

国内におけるB型肝炎報告数の年次推移

国内におけるB型肝炎報告数の年次推移
感染症発生動向調査2015年10月25日現在

遺伝子型別の推移

遺伝子型の分布は国によって異なり、日本は遺伝子型B、Cの二つが日本のB型肝炎のほとんどを占めています。しかし近年、大都市を中心に遺伝子型Aによる新規急性B型肝炎患者数が急速に増加する傾向にあります。遺伝子型Aは欧米の土着株で、遺伝子型BやCより症状の程度が軽いものの慢性化率が高いため、今後も遺伝子型Aによる感染拡大が懸念されています。

遺伝子型別の推移
目的:
B型急性肝炎の傾向の検討
対象:
1991~2009年に、全国の国立病院28施設においてB型急性肝炎と診断された患者のうち、HBVの遺伝子型が判明した547例
方法:
観察期間を1991~1996年(150例)、1997~2002年(123例)、2003~2008年(226例)および2009年(48例)の4つの期に分類し、遺伝子型の推移を評価した。

Tamada Y, et al. Gut 2012; 61: 765-773.より作図

【出典元】
  1. *1日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会 編. B型肝炎治療ガイドライン(第2.1版). 2015.
  2. *2厚生労働省 健康局 疾病対策課 肝炎対策推進室. 肝炎総合対策の推進について.
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