B型肝炎ウイルス(HBV)とは(構造・分類)

B型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus; HBV)はヘパドナウイルス科に属するDNAウイルスで、1965年にオーストラリア原住民から発見されました*1
血液媒介感染する病原体としては最も感染力が強く、感染者の血液中には最大1010/mLものウイルスが含まれており、乾燥した環境表面でも7日以上にわたって感染力が持続するとの報告もあります*2

電子顕微鏡で見たHBV
電子顕微鏡で見たHBV 提供:Dr. Erskine Palmer, Centers for
Disease Control and Prevention

構造

HBVは外被(エンベロープ)とコアから構成される二重構造の粒子であり、発見者の名前をとりDane粒子とも呼ばれます。エンベロープにはHBs抗原が、コアにはHBc抗原がそれぞれ存在します。HBVキャリアの血液中にはDane粒子以外に、感染性のないHBs抗原由来の粒子が存在します。

外被(エンベロープ)とコアから構成される二重構造の粒子
参考:平松啓一 監修. 標準微生物学 第11版. 2012, 医学書院.

遺伝子型と血清型

HBVを分類する考え方として、遺伝子型と血清型があります。
遺伝子型は塩基配列の違いによる分類で、8種類の遺伝子型(A~H)に大別されます。各遺伝子型には臨床経過や慢性化率、常在地域に違いがあります。
血清型はHBs抗原の抗原性の違いによる分類で、主に4つの血清型(adr、adw、ayr、ayw)に大別されます。どの血清型にも「抗原決定基a」が共通して含まれ、これを認識する抗体は遺伝子型や血清型によらず、すべてのHBVに結合できるため、感染予防効果を示すと考えられています。
遺伝子型と血清型は異なる概念であり、互いに相関性はありません。

B型肝炎ワクチンに関するファクトシート
国立感染症研究所. B型肝炎ワクチンに関するファクトシート(平成22年7月7日版).
【出典元】
  1. *1Blumberg BS, et al. JAMA. 1965; 191: 541-546.
  2. *2日本環境感染学会. 環境感染誌 2014; 29: S1-S4.
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