発症因子

発癌性のヒトパピローマウイルス(HPV:human papillomavirus)感染が子宮頸癌の発症に深く関与していることが、臨床的観察や分子生物学的研究から明らかにされています。

浸潤癌の99.7% がHPV DNA検出法により陽性であることが報告された*1 ことから、発癌性HPV感染は子宮頸癌発症の必要条件とされています。
しかし、発癌性HPVに感染したすべての人に子宮頸癌が発症するわけではありません。発癌性HPVに感染したうちの少数例においてのみ、長時間をかけて子宮頸部上皮内腫瘍(CIN:cervical intraepithelial neoplasia)から浸潤癌へと進展していきます。CINとは、上皮内に限局する異形成上皮内癌のことで、子宮頸癌の大半を占める扁平上皮癌は、異形成という前癌病変を経て発生します(図)。

図:子宮頸癌の発症と発癌性HPV
図:子宮頸癌の発症と発癌性HPV

子宮頸癌発症の第一段階に発癌性HPVの感染が関与しますが、感染から子宮頸癌に進行する際には、いくつかの要因が関与している可能性があり(表)*2*3*4、感染以外に種々の因子が加わることではじめて子宮頸癌が発症すると考えられています。

表:発癌性のHPV感染から子宮頸癌に進行する要因
表:発癌性のHPV感染から子宮頸癌に進行する要因
【出典元】
  1. *1Franco EL et al.:CMAJ 164(7):1017-1025,2001
  2. *2Franco EL et al.:CMAJ 164(7):1017-1025,2001
  3. *3Burd EM: Clin Microbiol Rev 16 (1):1-17,2003
  4. *4Baseman JG et al.:J Clin Virol 32(Suppl 1):S16-S24,2005
子宮頸癌の疫学と病因