発癌性HPVの遺伝子型

日本人の子宮頸癌に関連する発癌性HPVの遺伝子型は16型と18型が最も一般的で、これに52型と58型を加えると全体の72.5%を占めます。(メタ解析より)

発癌性HPV感染部位は、ヒトの扁平上皮に限られるため、実験動物やin vitro系での増殖は困難です。したがって、血清型で分類される多くのウイルスとは異なり、HPVはゲノムDNAの塩基配列の相同性に基づき、遺伝子型で分類されます。 現在、HPVは100種類以上の遺伝子型が知られていますが、遺伝子型によって全体に占める割合が異なります。発癌性HPVと広く認知されている遺伝子型のうち、わが国ではHPV16、18、52、58、33型の5タイプの検出頻度が高いことが、日本人女性の子宮頸部におけるHPV感染を報告している主要論文のメタ解析によって示されています(図)*1。海外と比べると、16型の検出頻度がやや低く、52、58型の検出頻度が高いことがわが国の特徴です。

図:日本における子宮頸癌に関連する発癌性HPVの遺伝子型
図:日本における子宮頸癌に関連する発癌性HPVの遺伝子型Onuki M et al : Cancer Sci 100 (7) : 1312-1316, 2009より作図

世界的にもHPV16型および18型が子宮頸癌の病変から高頻度に検出されます。

子宮頸癌の病変から検出される発癌性HPVの遺伝子型としては、16型や18型が高頻度に検出されることは世界共通です。 世界的な傾向として、子宮頸癌に関連する発癌性HPVの遺伝子型は、HPV16型と18型の2つの型でおよそ70%を占めており、この2つ以外の型の検出頻度は高くありません。(図)*2。世界のいずれの地域においても、検出頻度の高い上位8つの型(16、18、45、31、33、52、58、35型)で全体の90%を占めるという同様の傾向がみられます。

図:海外における子宮頸癌に関連する発癌性HPVの遺伝子型
図:海外における子宮頸癌に関連する発癌性HPVの遺伝子型Munoz N et al : Int J Cancer 111 (2) : 278-285. 2004

20代、30代の子宮頸癌患者では、HPV16型および18型の検出率が圧倒的に高くなっています。

日本人の子宮頸癌患者から検出される発癌性HPVの遺伝子型は、海外の傾向*3とは異なり年代によって特徴があることが報告されています。全体でも、HPV16型・18型の検出率は70%ほどと高いのですが、20代では90%、30代では約76%とさらに高くなります*1
子宮頸癌の発症は若年化の傾向にありますが、若年層においてはHPV16型や18型が子宮頸癌発症に特に大きく関わっていると考えられます。

図:日本人の子宮頸癌患者におけるHPV16型・18型の年齢別検出率
図:日本人の子宮頸癌患者におけるHPV16型・18型の年齢別検出率Onuki M et al: Cancer Sci 100 (7) : 1312-1316, 2009より作図
【出典元】
  1. *1Onuki M et al: Cancer Sci 100 (7) : 1312-1316, 2009
  2. *2Munoz N et al : Int J Cancer 111 (2) : 278-285. 2004
  3. *3Munoz N et al : Int J Cancer 111 (2) : 278-285. 2004
子宮頸癌とヒトパピローマウイルス(HPV)